借り換えで【教育費】捻出への挑戦 ≪前篇≫
東北地方にお住いの共働き世帯のご夫妻(以下、A夫妻)から、次のようなご相談をいただきました。
「子供の教育費を捻出するために、住宅ローンの毎月の返済額を削減したい」
「ボーナス返済はそのままで良いが、月額返済分を減らしたい」
A夫妻が現在契約している住宅ローンは、
☑残高 2,400万円
☑残期間 12年
☑金利 2.3%
今の金利水準からすると高いです。
この数字だけ見た場合、借り換えメリットは出るだろうと予想できます。
診断の結果は、月々▲1万円程度の削減という結果でした。
次に、借り換え審査が通るかどうかの、与信診断を行いました。
住宅ローン審査には、返済比率(返済負担率)という考え方があります。
全ての借入金の返済額が、年収の30%~35%といった一定の範囲内におさまっている必要があります。
これをオーバーすると、審査が否決になります。
また、この返済比率の基準は、各金融機関毎に設定してます。
A夫妻のご主人は会社員で年収440万円、奥様も会社員で年収560万円。
夫婦の年収を合算すると、世帯年収は1,000万円もあります。
これだけの年収があれば、返済比率はクリアできるだろうと予想しました。
ところが、ヒアリングをしてみると、A夫妻は、住宅を購入後に、
・自動車ローン 270万円
・ソーラーローン 260万円
があることが判明しました。
この2つのローン明細を確認したところ、合計で毎月6万円もの返済がありました。
これに住宅ローンの返済を合算すると、毎月20万円の返済となります。
月々20万円×12ヵ月=年間240万円。
これに住宅ローンのボーナス返済が60万円(年2回合計)。
月額返済分240万円+ボーナス返済分60万円=300万円。
ご主人の年収は440万円ですから、ご主人単独では返済比率が約70%と全く通りません。
住宅ローン審査において、収入合算という方法があります。
同居の配偶者or両親or子供のうち、1名を借主に加えることで、収入を合算できる方法です。
ただし、合算者の年収は50%までとしている金融機関が多いです。
☑ご主人の年収440万円+(奥様の年収560万円×50%)=720万円
☑720万円×返済比率35%=252万円
☑年間総返済額300万円 > 返済比率(35%)252万円
これでも、年間で48万円もオーバーしている状況です。
よって、この場合、奥様の収入を100%合算できる金融機関で申し込むことが前提条件になります。
100%合算できれば、次のとおり、返済比率35%以内におさまる計算になります。
☑ご主人の年収440万円+奥様の年収560万円=1,000万円
☑1,000万円×返済比率35%=350万円
☑年間総返済額300万円 < 返済比率(35%)350万円
再確認ですが、今回、A夫妻からの依頼は、
「子供の教育費を捻出するために、住宅ローンの毎月の返済額を削減したい」
「ボーナス返済はそのままで良いが、月額返済分を減らしたい」
です。
低金利への借り換えで、月々1万円程度は下がります。
しかし、教育費となりますと、中高生(平均)は公立で月換算4万円、私立で月換算7万円。
これに塾などに通うとなると、もっとかかります。
月々1万円の削減でも、多少は教育費の足しにはなります。
しかし、A夫妻のニーズを満たしておりません。
そこで、2つの追加プランを検討することとしました。
☑1点目は、住宅ローンの返済期間の伸長です。
返済期間が伸長できれば、月々の返済額を更に低く抑えることができます。
A夫妻は両名とも40歳代ですので、返済期間を多少伸長しても、定年前には完済します。
☑2点目は、ソーラーローンの低金利への借り換え+返済期間の伸長です。
ソーラーローンは、金利が3.15%と高く、残りの返済期間は約10年でした。
ソーラーローンも低金利に借り換えて、期間伸長できれば大きな削減になります。
問題はこの2つの壁をクリアできる金融機関があるか?という点です。
例えば、東京都内であれば、金融機関の数は100を超えます。
ですので、そういったイレギュラーな条件でも対応可能な金融機関は比較的見つけやすいです。
しかし、地方になりますと、金融機関の数が少ないため、ハードルが上がります。
ですので、条件交渉が必要になる場合もあります。
金融機関の審査や貸出条件は、画一的ですので、交渉で条件が簡単に変わるものではありません。
A夫妻の場合、東北地方ということで、住宅ローン取り扱い金融機関は約20行(メガ・ネット系含む)。
そのうち、
①収入合算100%
②期間伸長
③既存のソーラーローンの借り換え
この3つの条件に加え
④住宅ローン借り換えセンターの手数料も上乗せ可能な金融機関
(→借り換え時のA夫妻の現金出費を0円とするため)
の4つをクリアする金融機関をリサーチ又は条件交渉することになりました。
かなり高いハードルを超えなければなりません。
住宅ローン借り換えセンターでは、お客様の希望する最も条件の良い金融機関を探してきます。
このお客様の希望する最も条件の良い金融機関とは、必ずしも「最も金利が低い金融機関」とは限りません。
A夫妻の場合、金利が低いだけではニーズを満たさず、【最も条件の良い】には当てはまりません。
金利が低いのは当然として、子供の教育費を捻出したいという点が希望です。
ですから、月々の返済額を限りなく抑えるというプランが必要になります。
さ~対象となる金融機関は見つかったのでしょうか?
借り換え審査は通ったのでしょうか?
この結果は、次回のブログで書かせていただきます。
(つづく)