国債マイナス金利  異例の領域

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国債マイナス金利 異例の領域

 

短期国債(3ヵ月物)入札の金利が初めてマイナスとなったようです。

お金を借りる側が貸す側に利息を支払うが、マイナス金利の場合はお金を貸す側が借りる側に金利分を支払うことになります。

投資家が金利を払って国債を購入するという逆転現象ですから、普通の状態ではありません。

 

民間の金融機関は、資金調達の担保のために、一定量の国債が必要です。

しかし、日銀が国債を大量購入している関係で、市場の流通量が減っているために、相場がマイナスに突入したようです。

また、例えマイナス金利で購入しても、日銀が更にマイナス金利で購入してくれるので、鞘抜きを前提としたものもあります。

 

このマイナス金利の影響で、2年物国債利回りはほぼ0%まで低下しました。

長期金利の指標となる10年物国債は、今後、0.25%まで下がると予想している債券ストラテジストもおります。

この予想通りに進めば、今後、長期金利は更に下がり、住宅ローンの固定金利も下がることになります。

 

 

ちなみに、欧州では中央銀行に預ける預金の金利をわざとマイナスにする金融政策を実行してます。

マイナス金利によって、欧州中央銀行(ECB)にお金を預ける銀行は手数料を払うことになります。

そうなると、銀行は手数料を払ってまでECBにお金を預けることはしないので、企業の貸し出しにお金を回しやすくなる効果が期待できるというものです。

 

 

 

 

マイナス金利 異例の領域
新発の国債入札で初めて 緩和の余波広がる
2014/10/24 日本経済新聞

財務省が23日実施した新規発行の短期国債(3カ月物)入札で、金利が初めてマイナスとなった。通常は借金をする国が投資家に利子を支払うが、マイナス金利とは投資家が利子を逆に負担して国債を購入することで、極めて異例な状態だ。日銀が大規模な金融緩和の一環で国債を大量に購入しており、市場で流通する国債が減っている。民間金融機関には安全資産とされる国債を一定量保有するニーズがあり、負担覚悟で応札したようだ。

財務省は23日に5兆7千億円の短期国債を発行すると提示し、金融機関からは実に10倍近い52兆円の応札があった。うち約3兆円分は国に利子を払ってでも国債を買いたいという「マイナス金利」での応札で、午後0時35分に示された平均落札金利はマイナス0.0037%となった。

昨年4月からの大規模緩和で日銀が大量の国債を購入しており、金融機関同士では今夏から市場でマイナス金利による国債取引が行われるようになっていた。ただ今回は国が借金をする際の短期国債の入札金利がマイナスとなり、お金を借りる国が「得をする」という極めて異例の領域に突入した。

なぜこうした事態が起こったのか。銀行は投資マネーを運用するためだけでなく、日々の資金調達の担保に使うため一定の国債を保有する必要がある。大規模緩和で国債の流通量が減ったため、民間金融機関はマイナス金利による国債購入を迫られた。

世界的な景気下振れ懸念によって、安全資産とされる国債への投資が加速していることも背景にある。英バークレイズによれば世界各国の長期国債の利回りは先週、平均1.16%と過去最低を更新した。デフレ懸念のある欧州でもドイツではマイナス金利での国債取引が起こっている。

マイナス金利で国債を購入しても利益が出る可能性があり、民間金融機関の国債購入は止まらない。金融緩和を進める日銀は、市場の金利低下を受けて既にマイナス金利で国債を購入し始めている。日銀がさらに強めのマイナス金利で買い入れれば、民間金融機関は損失を出さずに売り抜けることができる。足元ではこうした投機的な売買もみられるという。

日銀は大量の国債購入を当面続けるため市場で短期国債が不足する状況は続く。今後も短期国債入札などでマイナス金利での取引が発生しやすい環境は続きそうだ。

金利の低下は住宅購入や設備投資を後押しして経済活動を高める効果がある。ただ投資信託などには運用難という副作用もある。個人が株式投資する際の待機資金の受け皿となるマネー・リザーブ・ファンド(MRF)は、短期国債など安全性の高い資産への投資が中心だ。運用利回りが急低下して投資家が得る金利は普通預金を下回る例も出てきており、一般投資家にも余波が広がっている。

 

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