農協が住宅ローンなど金融事業から撤退!?
今の農協は本業の農業関連は赤字で、金融事業で経営が成り立っている状況です。
最近の農協は住宅ローンやアパートローンなどに積極的な融資姿勢を見せており、使いやすい金融機関の一つとして位置付けておりました。
農協は融資の審査をする際、地方銀行や信用金庫とは違う保証会社を使いますので、仮に地方銀行などで融資が通らなかったとしても、次の選択肢として使うこともあります。
これと似たように地方銀行とは違う保証会社を使う金融機関として労金などがあります。
なお、メガバンクなどは自前の保証会社を使います。
審査基準は厳しいですが、以外と例外的なローンはメガバンクで通ったりすることもあります。
農協と一言で言っても、地域の農協毎に融資商品や審査基準が全く違うという面白い特徴もありましたが、農林中金のような大組織に吸収された場合、画一的な審査や融資姿勢に変わってしまわないことを期待したいところです。
地域農協から金融を分離 農水省、農業振興に専念促す
2014/7/20 1:30日本経済新聞 電子版農林水産省は全国に約700ある地域農協が住宅ローンなど金融事業から撤退するように促す。金融事業を上部団体である農林中央金庫や信用農業協同組合連合会(信連)に譲渡し、地域農協は代理店に特化する。農水省は農中などに、地域農協に払う代理店手数料を来年前半までに示すように求める。地域農協が与信リスクを抱えず、農産物の販売先の開拓などに専念できるようにする。
全国の農協は「JAバンク」として組合員の農家や会社員の准組合員を対象に住宅ローンや自動車ローンの貸し出し、貯金など民間銀行並みのサービスを提供している。
農協の業務は農産物の集荷や販売から、冠婚葬祭業、旅行代理、共済(保険に相当)販売まで幅広い。農家の高齢化でどの農協も農業事業の採算は厳しく、その赤字を補っているのが住宅ローンや貯金の金融事業だ。
現在は、住宅ローンの貸し倒れなどのリスクも地域農協が抱えている。「本来の農業振興が置き去りにされている」との批判がある。
政府は今年6月にまとめた農協改革で、JAグループの指導的立場を担う全国農業協同組合中央会(JA全中)の経営指導権などをなくし、農協が農業振興に向けた独自施策を打ち出せるようにする方針を示した。農協がいまのように金融事業に軸足を置いたままでは、本業に取り組む腰が定まらないとみている。
農業協同組合法上は地域農協はすでに農林中金の代理店になることができる。だが農中がその場合の手数料を示していないため、事実上できなかった。
農水省は農中が地域農協に支払う代理店手数料の体系を示すよう指導する。農水省幹部は「地域農協が代理店になっても損をしないように手数料の水準を厳しく点検する」と語る。5~10年ですべての農協が金融事業から撤退することをめざす。農協組合員はローンの契約相手が農中や信連に代わるだけで、「JAバンク」を引き続き利用できる。
農協の保険に相当する「JA共済」は共済金の支払い責任はすべて全国共済農業協同組合連合会(全共連)にあり、先行事例となりそうだ。