不動産会社に払う住宅ローン事務代行手数料ってなに?

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よく宅建業者(不動産会社)から、売買の仲介手数料以外に、住宅ローン事務代行手数料を請求された、という話を聞きます。

「そもそも、これは払うべき費用なのか?」

という批判や議論もWEBサイトでたくさん出てきます。

 

正解は、売買の仲介手数料の法律上の上限を超えた場合は、法的には支払義務はない(不動産会社は請求できない)という見解が正しいです。

 

 

この住宅ローン事務代行という業務は一体なんでしょうか?

この手数料の法的位置付けとは?

という観点から紐解いて説明しておきます。

 

 

マイホームを購入する為には、金融機関で住宅ローンを借ります。

このローンの申込等の手続きの代行や金融機関の斡旋(仲介)を行うことを住宅ローン事務代行と呼びます。

もう少し専門的な用語で言うと、ローン媒介業務(金銭の貸借の媒介)と言います。

 

 

 

ローン媒介業務とは

「借主と貸主の間に立って、ローン成立に向けて尽力する一切の行為」

と定義付けされております。

 

本来、このローン媒介業務を行うには、貸金業の登録が必要なのです。

(※銀行の為に行う場合は銀行代理業の免許が必要)

 

 

ところが、貸金業法第2条1項3号に以下のような除外規定があります。

「物品の売買、運送、保管又は売買の媒介を業とする者がその取引に付随して行うもの」

に関しては、貸金業の登録は必要ない、と定められてます。

この除外規定がある為、不動産の売買の媒介に付随する住宅ローンに限り、宅建業者は貸金業の登録なしにローン媒介(住宅ローン事務代行)をしても良い、という法律構成になっております。

 

 

 

問題は、貸金業の登録は不要だが、住宅ローン事務代行の手数料を受領して良いか?という点です。

この点、宅建業法では報酬上限が定められております。

いくら売買に付随する業務なので貸金業の除外規定だとしても(付随業務だからこそ)、宅建業法で定められた報酬上限を超えて手数料を受領することはできないということになります。

売買価格が400万円を超える場合、住宅ローン事務代行手数料を含めて、3%+60,000円+消費税が報酬の上限ということになります。

 

 

 

一方で、貸金業者が住宅ローンの媒介業務(住宅ローン事務代行)を行った場合はどうなるのでしょうか?

この場合、出資法という法律で媒介手数料の上限が定められており、上限は融資額の5%です。

 

 

 

余談ですが、この5%には消費税も含まれます。

また、不動産売買の仲介には売主と買主の両方から貰う両手取引というものが法律上認められてます。

貸金業においても、借主と貸主の両方から5%を貰っても違法ではありません。

承諾が貰えるかどうかは別として、合計5%+5%=10%(消費税込)までOKということになります。

 

 

 

更に、突っ込んだ話をします。

宅建業貸金業の両方の免許を持っている会社があったとします。

一人の顧客に対して、不動産売買の仲介と住宅ローンの媒介業務の両方を行った場合はどうなるのでしょう。

果たして、売買仲介手数料とローン媒介手数料の両方を受け取っても良いのでしょうか?

 

 

 

業法で、それぞれ報酬の上限が決まっているわけです。

〇 宅建業 → 3%+6万円+消費税(売買価格400万円超)

〇 貸金業 → 5%(消費税込)

両方の手数料を受領すれば、その合計額は、それぞれの業法で定めた報酬上限を超えます。

 

 

そもそもこの両方を同時に手掛けている業者はほとんどおりません。

なので、今まで議論や確認がされてきませんでした。

そこで、それぞれの監督官庁に見解を問い合わせてみました。

 

 

 

〇宅建業者の監督官庁の見解 

宅建業ではローン斡旋の有無は重要事項説明への記載事項だが、宅建業者の業務ではない為、手数料の受領に関しては他の法律の定めによる、というような回答でした。

 

〇貸金業者の監督官庁の見解 

宅建業と貸金業では業務内容が違う為、一つの法人がそれぞれの業務の対価として、それぞれの手数料を貰うことは問題はない、というような回答でした。

 

 

結論は、一つの会社が宅建業と貸金業の両方の免許を持っていれば、一つの不動産売買において、(お客様が同意すれば)合法的に売買仲介手数料とローン媒介手数料の両方を貰うことができる、ということになります。

 

 

宅建業者がローン事務代行手数料を堂々と受領する為には、貸金業の登録をすれば良い、ということになります。

ただ、貸金業は登録要件が宅建業よりも高いハードルがあります。

具体的には、

①純資産5,000万円(資本金ではない)

②3年以上の貸付業務経験者を役員の設置

③貸金業務取扱主任者の設置

というような要件です。

もちろん、事務所や電話番号も必須です。

 

 

 

この基準をクリアするのは容易ではありません。

そこで、貸金業代理店を活用するという方法があります。

貸金業代理店の場合、純資産要件はなく、

①1年以上の貸付業務経験者の設置

②貸金業務取扱主任者の設置

というように緩和されてます。

 

 

ローン事務代行手数料もビジネスとして取り入れたいという宅建業者の方はお問い合わせ下さい。

一定の要件や費用はかかりますが、貸金業代理店制度を用意しております。

↓参考ページ

FC/PTR制度

 

 

 

 

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