住宅ローンを投資商品に例えてみた
住宅ローンを投資商品に例えてみた
フラット35は5月に過去最低の1.08%を付けました。
6月は少し上がり1.10%です。
フラット20(返済期間20年以下)は、5月が0.96%(過去最低)、6月は0.99%です。
35年固定が1%前半が長く続いてきたせいか、最近は感覚がマヒしてきてますが・・・
めちゃくちゃ低いです。
変動金利の最安値は、0.497%。
ネット系銀行2社が競ってます。
最近は地銀も頑張ってます。
0.5%~0.6%台の金利を出してきます。
米国は、利上げを先延ばしする方針です。
英国のEU離脱の国民投票の結果を見てからという判断もあるかと思います。
日本では、三菱東京UFJ銀行が国債入札資格を返上するという驚きの動きがありました。
三菱は3メガの中でも最も国債残高が高く、マイナス金利の影響で収益悪化に嫌気が指した為です。
今のところ、他のメガは追随の姿勢は見せてません。
国債の国内消化率は今や90%前後に落ちてます。
三菱のような動きが他の金融機関に波及すると、国債の国内安定消化ができなくなります。
市場では7月に日銀が追加緩和するのでは?という予想が出てます。
しかし、追加緩和(マイナス金利の更なる引下げ)を発動したら、他の金融機関も追随するかもしれません。
将来の長期金利の急上昇リスクが高まります。
金融機関が国債を買わずに、投融資にお金を振り向かせるのが、日銀のそもそもの金融政策の狙いの一つです。
ですので、日銀はこういった点も織り込み済みかもしれません。
しかし、国債発行元の財務省はそうは行かないでしょう。
住宅ローンの金利タイプは固定・変動・期間固定・ミックスなど、様々な選択肢があります。
固定を希望する方は、早めに動いた方が良いかもしれませんね。
前置きが長くなりました。
世の中には、消費者向けの色々な投資商品があります。
国債、投資信託、リート、年金積立保険など、利回りの高いものから低いものまで様々です。
そこで、住宅ローンを一つの投資商品に例えたとします。
★3000万円、金利3%(固定)、25年、月々14万円返済のケース
※10年前にフラット35を借りた人をイメージしたものです。
今から25年間、毎月14万円を積み立てながら、▲3%で運用するということになります。
月々14万円の投資の場合、14万円×12ヵ月×25年で、総投資額は4,200万円になります。
ところが、住宅ローンは金利を払うので、マイナス金利(利回り)で運用することになります。
その結果、投資4,200万円に対し、元本は3,000万円に割れ、▲1,200万円損するということです。
人はこのように損失が数字で明確になると、痛みを感じます。
ところが、住宅ローンの場合、元本の残高は意識しますが、総支払額は意識されない傾向があります。
数字のマジックでしょうか。
★現在の低金利に変更(借り換え)した場合・・・
月々11.4万円、総投資額は3,400万円、元本は3,000万円に割れます。
しかし、損失は当初▲1,200万円だったものが、▲430万円で済むことになります。
仮に、金利を変更(借り換え)した後も、当初と同じように同額の14万円を投資にまわすとします。
投資額14万円-住宅ローン11.4万円=差額2.6万円
この差額を利回り0%で積み立てた場合、2.6万円×12ヵ月×25年=780万円の貯蓄が残ります。
差額2.6万円を、年金積立保険や投資信託などで運用した場合、利回り次第では1,000万円以上残るかもしれません。
このケースように、(A)何もしない人と、(B)将来を見据えて行動に移す人との違いを見て下さい。
投資額(返済額)4,200万円という数字が全く同じであっても25年後は
(A)金融資産 0円
(B)金融資産 780万円~1,000万円
これだけの差が生まれるという恐ろしい結果になります。
住宅ローンの借り換えのメインは40代です。
この世代は将来、充分な年金の支給は期待できず、漠然と老後の生活に不安を抱えてます。
住宅ローンの見直しのタイミングで、将来の老後を見据えた資金計画を立てるべきです。
住宅ローン借り換えセンターにも、「年金生活で住宅ローンがまだ残っていてきつい」という相談が増えてます。
住宅ローンの完済年齢を、定年退職以降に設定している方は、単に借り換えるだけでは足りません。
借り換えた後の浮いた分も活用し、老後に向けて、どう金融資産を形成していくか?を計画すべきです。
住宅ローン借り換えセンターでは、住宅ローン借り換えサービスと並行して、これらの計画立案などのお手伝いも新サービスとして提供しますので、ご相談下さい。