長期金利 今年最低!
長期金利 今年最低!
住宅ローンの固定金利の指標となる10年物国債が、0.43%と今年最低の水準まで下がりました。
この金利水準は、1年8ヵ月ぶりです。
この原因は、本ブログでも何度か書いておりますが、
・日銀が追加緩和で国債の買い入れ額を増やしたこと
・年限の長い国債の買い入れ比率を高めたこと
が根本的な原因であり、これにプラスして、短期的要因として株価が影響します。
株価が軟調に推移すると、安全資産である国債に資金が流れるという構図です。
☑今後、金利は上がるのか?下がるのか?
☑上がるなら、いつ頃から、どのくらい上がるのか?
☑変動金利と固定金利は、どちらが良いか?
などの質問をよく受けます。
金利が上がるか下がるか?いつ頃からどれくらい変動するか?は誰にもわかりません。
ですので、一般論として書きます。
金利が上がる時期は、日銀が今行っている金融緩和政策のうち、量的緩和を解除すると、長期金利が上がります。
長期金利が上がれば、住宅ローンの固定金利は上がります。
長期金利は国債の利回りと連動します。
国債の利回りは、国債の需要や供給によって決まりますので、本来は市場が決めるものです。
ところが、今は、日銀が大量に国債を買い占めることで、意図的に長期金利を無理矢理低く抑えてます。
ですので、日銀が国債の買い入れを緩める(量的緩和解除)と、市場原理で長期金利が変動することになります。
長期金利はその時の景気によって左右されますから、量的緩和を解除すれば必ず上がるとは言い切れません。
しかし、今は無理矢理低く抑えている状況ですので、その反動から、緩和解除によって金利は上がる可能性が限りなく高いと言えます。
次に変動金利ですが、日銀が今行っている金融緩和政策のうち、ゼロ金利政策を解除すると、短期金利(=変動金利)が上がります。
ただし、短期金利は日銀の資金供給量で調整している為、日銀が意図的に金利を上げようとすれば上がり、下げようとすれば下がるというものです。
ですので、短期金利は日銀のコントロール下にあるということです。
経済動向をみながら、日銀が金利を上げ下げすることになります。
ハイパーインフレ等が起きない限り、急激に短期金利が上昇するということはありません。
徐々に金利を上げていくという方法をとる場合がほとんどです。
以上の通り、日銀がいつ金融政策を変更するか?によって、金利が上がるか下がるかの時期が決まります。
現在は、金融緩和政策として、量的(質的)緩和とゼロ金利政策を行ってます。
まず先に、量的緩和を解除し、次にゼロ金利政策を解除するという順番で行われます。
日銀は物価上昇率2%達成するまで金融緩和を行うと宣言してます。
ということは、目標達成すれば緩和を(徐々に)解除するということになります。
物価上昇率に多大な影響を及ぼすイベントとして、消費税の増税があります。
2%を達成しても、増税によりまた物価が下がるリスクもあります。
消費税が先送りされたことによって、緩和解除の時期がどう影響するかを注意深く見て行きたいと思います。
長期金利、今年最低に 10年債0.43%
2014/11/26 日本経済新聞長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが26日の債券市場で0.43%と今年最低になった。昨年4月5日以来、約1年8カ月ぶりの低金利となる。日銀が10月31日に決めた追加緩和で国債の買い入れ額を増やし、国債の品不足が一段と強まっているためだ。日銀が財政再建の遅れや株高といった金利上昇圧力を需給面から抑え込む構図が浮き彫りとなった。
日銀は追加緩和で毎月の国債買い入れ額を7兆円から8兆~12兆円へと増やした。特に年限が10年超の国債の増額が大きく、超長期債への金利低下圧力が強まっている。26日に実施した40年物国債の入札でも証券会社が投資家へ販売する在庫を確保しようと積極的に応札した。10年債の投資家の取引は低調だが「超長期債に引きずられる形で金利が低下している」(大和証券債券部)。
11月半ばには消費増税先送りによって財政健全化が遅れるとの懸念から長期金利が上昇する場面があった。だが、日銀が新規発行と同規模の国債を買い入れている状況では「金利が上昇すれば投資家の押し目買いの好機になる」(東海東京証券の佐野一彦氏)との声が多い。実際、この1週間あまりで金利は再び低下した。市場では年内に0.4%を割り込むとの見方も出ている。
一方、日本国債の信用力に基づいて取引されるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)では保証料率が0.5%台後半と今年最高の水準に上昇している。消費増税が見送られ、「海外投資家を中心に日本政府の財政再建への疑問が強まった」(みずほ総合研究所の高田創氏)ためだ。CDSは日銀の買い入れ対象ではなく、国債よりも財政の信認度が表れやすい。
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