国債利回り0.54%から見る2014年7月住宅ローン金利

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預金から貸出金を引いた余剰資金は194兆円と過去最高。
国債を売って、投融資先がなく、やむを得ずまた国債を買わざるを得ない循環。
銀行の住宅やアパートローンの貸出・金利競争はこれからが本番なのでしょうか?

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日経電子版より

日本の長期金利が再び低下してきた。指標となる新発10年物国債の利回りは9日、0.54%と1年3カ月ぶりの低水準にまで低下した。日銀の国債買い入れが金利低下を促しているが、ここへきて大量の余剰資金を抱えた金融機関も国債へ資金を振り向け始めている。超低金利の国債を買う理由には海外金利の低下と融資の伸び悩みがある。

日銀は毎月7兆円近くの国債を買い入れており、市場では国債の品薄感が強まっている。金融機関はこれまで将来の物価上昇に備え、積極的な投資を見送り、長期金利は0.6%前後で膠着していた。だが、6月に入ると銀行などの買い注文がじわりと増え、金利が低下し始めた。9日も米長期金利の低下を手掛かりに、地方銀行などが買い注文を出したという。

0.54%という金利水準は、日銀が昨年4月に大規模な金融緩和を打ち出す直前の低い水準にあたる。物価上昇率が日銀の目指す2%に近づいていくなら、割に合わない水準のはずだ。

それでも国債が買われる背景の一つは海外金利の低下だ。

米国は金融緩和の縮小を進めており、年初には米長期金利は上昇すると大半の投資家がみていた。だが、長い目でみた米国の成長が鈍るといった見方から金利は低下し、2.5%台の低位で推移している。JPモルガン証券の山脇貴史氏は「海外債券の投資を積み増そうとする投資家が減った」と話す。

海外投資を増やせないとなると、資金の向かい先は国内に絞られる。だが企業の資金需要がなかなか盛り上がらない。6月の銀行の貸出金は413兆円。1年前より10兆円増えたが、預金は15兆円増えた。預金から貸出金を引いた「余剰資金」は194兆円と過去最高だ。みずほ証券の上野泰也氏は「企業は多くの現預金を抱え、融資は伸びづらい」と指摘する。

融資の競争は厳しく、5月の新規の平均貸出金利は0.78%と過去最低になった。資金はだぶついており、「低金利であってもある程度は国債に資金を振り向けざるを得ない」(大手銀行)との声が漏れる。

一方、ソシエテジェネラル証券の会田卓司氏は現在の経済情勢から導かれる妥当な金利水準は1.5%程度と試算する。金利が上昇すれば、保有債券に評価損が発生するだけに、銀行の間でも「これ以上、国債を買い増しにくい」との声がある。

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